日本人の働き方は変わるのか? 「残業の9割はいらない」

残業の9割はいらない ヤフーが実践する幸せな働き方 (光文社新書)

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(2018/8/15 22:38時点)

著者の本間浩輔氏はヤフー株式会社常務執行役員で、ヤフーの人事制度改革などに取り組んでこられた方だそうです。
内容は残業に関することだけではなく、日本人の働き方全般い及びますが、やはりタイトルが気になります。

そもそも考えてみれば残業代というのはおかしな制度だと思います。
8時間分の仕事を6時間で終えた人より、10時間かけて終えた人の方がたくさんお金がもらえるわけですから。
もちろん実際の仕事はそんな単純なものではないでしょうが、時間に対して給与が払われるかぎり、成果にかかわらず長時間働いた人の方が儲かる仕組みなのは間違いないでしょう。
工場のラインや、店舗の運営スタッフなら、労働時間と給与がイコールでも頷けます。
しかし、企画、提案書の作成、プログラミング、営業等々、必ずしも時間をかけた方がより良い成果が出せるとはかぎりません。
このような業務は本来成果に対して給与が支払われるべきだと考えます。
問題はその成果の測り方で、売り上げや契約数など目に見える成果はいいとしても、目に見えづらい貢献をどうするのか。
そもそも一人一人の達成すべき成果を会社側はきちんと設定できているのか。
成果主義を導入している企業でも、うまくいっていない所は多いのではないでしょうか。
さらに問題となるのはいまだに残る終身雇用と年功序列という慣習。そして頑張ることは素晴らしいという風潮。
いや、もちろん頑張ることは素晴らしいには違いないと思います。ただ問題は頑張れば(長時間労働をすれば)成果は二の次でいいのか、ということです。
あまり成果、成果というと上司から監視され、同僚との関係がギスギスして人間味のない職場になりそうだ、と思われる方もいるかもしれません。
しかし本書の副題に「ヤフーが実践する幸せな働き方」とあるように、残業を減らし、働き方を見直せば、より多くの時間を家族と過ごしたり、自分のスキルアップや趣味に時間を充てることもできるでしょう。
働き方改革は会社の残業代を減らすだけではなく、我々の幸福度向上のためでもあるのです。
もっとも改革には我々一人一人の努力だけでは限界もあります。
その意味で本書は、経営層や人事担当者におすすめしたいところです。